「ウィーン・モダン」展 【私の1点(下)】 山田五郎さん(評論家) 市民が好む シンプル美

「ティーポット」製作:フランツ・ヴュルト 1803年 International Friends of Wien Museum, Asenbaum Collection ©Asenbaum Photo Archive

 現代の感覚から見てもシンプルでモダンなティーポット。なんと、今から200年以上も前の製品です。
 19世紀前半のオーストリアでは、身近な問題を重視して堅実に生きる市民層が台頭。貴族社会の派手な装飾とは正反対の、質素で機能的なデザインが好まれたのです。20世紀初頭に装飾を排した機能的なデザインでモダニズムを先取りしたウィーン工房やアドルフ・ロースらの作品(こちらも本展で見られます)も、こうした市民感覚から生まれてきたのでしょう。

山田五郎さん(評論家)

ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」は8月5日まで六本木の国立新美術館で開催中。火曜休館。

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