「ウィーン・モダン」展 【私の1点(上)】 藤井フミヤさん(ミュージシャン) 暗い表情 秘めた生命力

グスタフ・クリムト「エミーリエ・フレーゲの肖像」 1902年 ウィーン・ミュージアム蔵 ©Wien Museum / Foto Peter Kainz

 クリムトが描いた最愛の女性は、華やかなドレスの幾何学模様とは対照的に、体全体がなんだかアンバランスで表情も暗い。それなのに妖艶(ようえん)で、内に秘めた生命力を感じる。クリムト作品のなかでも大好きな作品のひとつ。
 僕自身、クリムトの影響も受けながら油彩や切り絵など作品制作を続けてきた。実物や画集でほとんどのクリムト作品を見ているが、そのあまりの上手(うま)さに、その偉大さに、アーティストとして畏敬の念を禁じえない。

藤井フミヤさん(ミュージシャン)

ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」は8月5日まで六本木の国立新美術館で開催中。火曜休館。