松方コレクション展から 静けさに満ちた「休息」

フィンセント・ファン・ゴッホ 「アルルの寝室」 1889年 オルセー美術館 Photo©RMN-GP

 質素な家具が置かれ、自作の絵が壁に掛かる部屋は、南仏アルルのゴッホの寝室。友人ゴーギャンとの共同生活に失敗し、思い詰めて自分の耳を切り落とした後の療養中に描かれた。南仏のまぶしい日差しを感じる室内は、静けさに満ち、「休息」が表現されている。
 実業家の松方幸次郎が1922年にパリで購入した作品。彼の収集品の全貌(ぜんぼう)に迫る本展は、開館60周年を迎えた国立西洋美術館の所蔵品や国内外に散逸した名品計約160点で構成する。
 本作は、彼の他の収集品約400点とともにフランスで保管されていたが、第2次大戦中に「敵性資産」として接収された。戦後の政府間交渉で375点が日本に戻ったが、仏政府は本作の返還を最後まで拒んだ。本国でもそれほど重要な作品だった。

 

松方コレクション展
会期:開催中~9月23日(月・祝)
会場:国立西洋美術館(東京・上野)

直前の記事

新着情報一覧へ戻る