ウィーン・モダン展から クリムト 革新の守護神

グスタフ・クリムト 「パラス・アテナ」 1898年 ウィーン・ミュージアム蔵 ©Wien Museum / Foto Peter Kainz

 黄金の兜(かぶと)を着け、堂々とたたずむ女神アテナ。左手には槍(やり)、右手には小さな裸婦像を持つ。裸婦が掲げる鏡は真実の象徴だ。暗い色調の背景には、新しい芸術の威信を懸けて戦う英雄がいる。
 巨匠グスタフ・クリムト(1862~1918年)は、革新的な芸術家グループ「ウィーン分離派」の結成翌年にこの絵を描いた。エロスの画家がビーナスではなく、知恵と芸術をつかさどるアテナを分離派の守護神としたのは興味深い。
 女神の胸当てには舌を出した怪物メドゥーサの顔。分離派に無理解な保守派をあざ笑うかのようだ。クリムトの代名詞である、金の装飾の実験を始めたことでも知られる名画だ。
 本展は、ウィーン・ミュージアムの所蔵作など約400点で19世紀末前後の芸術を網羅的に紹介する。

 

ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道
【東京展】
会期:開催中~8月5日(月)
会場:国立新美術館(東京・六本木)
【大阪展】
会期:8月27日(火)~12月8日(日)
会場:国立国際美術館(大阪・中之島)

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