東京・日本橋で横山大観の画業、暮らし、交流を紹介

日本画の巨匠、横山大観(18681958年)の作品と画具、愛蔵品などを通じて、大観の芸術と人物像に光を当てる「横山大観記念館 史跡・名勝指定記念 画業と暮らしと交流―大観邸―」展が、東京・日本橋高島屋S.C.で5月6日まで開かれている。

再興第32回院展に出品された大作「四時山水」(1947年、全長約26メートル)が約10年ぶりに全体展示されるなど、大観の作品約30点と下絵・写生帖、旅行カバンや懐中時計などの愛蔵品、菱田春草ら知人と交わした書簡、速水御舟ら周辺画家の作品など計約140点が公開されている。いずれも大観の旧邸を転用して1976年に開館した東京・上野池之端の横山大観記念館の所蔵品だ。

「四時山水」(1947年)

  

 

大観は、1908年に上野池之端に移住し、19年に木造2階建ての数寄屋風日本家屋を自らデザインして建てた。代表作「生々流転」(1923年)もここで描かれたという。

大観による「建物設計図面」(左)

 

この邸宅は太平洋戦争末期の東京大空襲でほとんど焼失したが、54年にほぼ同じ形で再建された。大観は58年に亡くなるまでここで暮らした。

大観の孫で横山大観記念館代表理事・館長の横山隆さんは今回の展覧会について、「大観の人としての姿を感じ取ってもらえるようにした」と語る。隆さんは静子夫人の内助の功にもふれ、「大観は客に厳しい言葉を投げつけることもあったが、そういう時は必ず夫人が玄関でお詫びをしていたようだ」という。

展示品の中で目を引くのは静子夫人の日記帳だ。家計簿と兼用で、「150(円) ハガキ卅枚」「50(円) いんげん」などと記され、夫妻がどんな暮らしぶりだったかを想像させる内容となっている。

 

 

 

また、「各界名士揮毫風炉先屏風」(1955年)も目を引く。大観の米寿記念祝賀会の際に参会者が揮毫した芳名帳で、文化人ばかりでなく、鳩山一郎・当時首相など、政財界の大物の名も並ぶ。

「各界名士揮毫風炉先屏風」(1955年)

 

大観の旧邸と庭園は、2017年に国の史跡・名勝に指定された。本展はそれを記念した特別公開。横山大観記念館ではスペースの制約のため、これほど大規模な公開は難しいという。人間・大観の実像に迫ることのできる、稀有な機会といえそうだ。東京展の後、5月22日から6月4日まで横浜高島屋で開催される。

 

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