2019年は「クリムト展」「ウィーン・モダン展」「ハプスブルク展」

2019年は日本とオーストリアが1869年に修好通商航海条約を締結し、外交を樹立してから150周年。それを記念する展覧会が4月以降、相次いで予定されている。

4月23日~7月10日に東京・上野公園の東京都美術館で開かれる「クリムト展 ウィーンと日本1900」(7月23日~10月14日、愛知県・豊田市美術館に巡回)の記者発表会が11月9日、東京ミッドタウン日比谷で行われた=写真は、ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館のマーカス・フェリンガー学芸員による解説=。

グスタフ・クリムト(1862~1918年)は世紀末ウィーンを象徴する画家。ヨーロッパの中世美術や日本の浮世絵・琳派の影響を受け、金箔を多用した装飾的、官能的な女性像などを描いた。また、1897年に結成して初代会長を務めた「ウィーン分離派」は、絵画・彫刻・建築・工芸を融合した総合芸術をめざし、世界中に影響を与えた。

東京では約30年ぶりという同展には、代表作「ユディトⅠ」(1901年)をはじめ油彩画20点以上が出品される予定。全長34メートルの壁画「ベートーヴェン・フリーズ」(1901~02年)の精巧な実物大複製(1984年)も展示する。

記者発表会で来賓のフーベルト・ハイッス駐日オーストリア大使は「国交樹立から数年後、日本はウィーン万博(1873年)に初めて公式参加した。日本館で展示された美術工芸品のエキゾチックな美は話題を呼び、ジャポニスムがヨーロッパの文化芸術に多大な影響を与えた。今回、日本の影響をふんだんに受けたオーストリアの芸術家が日本で紹介されることを光栄に思う」とあいさつした。

4月24日~8月5日に東京・六本木の国立新美術館で開かれる「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」展(8月27日〜12月8日、大阪市・国立国際美術館に巡回)は、「近代化(モダニズム)への過程」の視点で18世紀中頃から19世紀末に至るウィーンの美術・音楽・ファッション・建築などを総合的に紹介する。
絵画では、クリムトが最愛の女性を描いた「エミーリエ・フレーゲの肖像」(1902年)をはじめとする油彩画と素描、ポスターなどクリムト作品47点、エゴン・シーレ22点、オスカー・ココシュカ17点(大阪展はクリムト18点、シーレ11点、ココシュカ8点)を展示。世紀末ウィーンを彩った巨匠たちの名作を揃える。建築では、日本の建築家にも大きな影響を与えた「ウィーン分離派」やモダニズム建築の図面、模型を多数展示する予定。

また、10月19日~2020年1月26日には東京・上野公園の国立西洋美術館で「ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史」が開かれる。ウィーン美術史美術館が所蔵するスペインの宮廷画家ディエゴ・ベラスケスの「青いドレスの王女マルガリータ・テレサ」(1659年)、女性画家ヴィジェ・ルブランの「フランス王妃マリー・アントワネットの肖像」(1778年)などの出品が予定されている。

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