「ミケランジェロと理想の身体」 【私の1点(下)】 棚橋弘至さん(プロレスラー) 必死の抵抗 筋肉の躍動

ヴィンチェンツォ・デ・ロッシ 「ラオコーン」 1584年頃 ローマ、個人蔵、ガッレリア・デル・ラオコーンテ寄託 撮影・木奥恵三

 ギリシャ神話の女神アテナの怒りを買い、無実の罪で子どもと共に蛇に絞殺されたトロイの神官ラオコーン。その様子は、さながらプロレス技「コブラツイスト」をかけられたかのよう。技が決まるのは一瞬で、腕を首に巻きつけられたら、もうどうしようもない。
 躍動する全身の筋肉や、極端に曲がった右手首から必死の抵抗が伝わる。もう我慢の限界、ギブアップ寸前の緊張感。悲しげな表情からは「本当は悪くないのに」という無念さがにじみ出る。(談)

 

棚橋弘至さん(プロレスラー)

 

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