「ルーヴル美術館展」 【私の1点(中)】 ヤマザキマリさん(漫画家・随筆家) 勇敢な大王 謙虚な姿に

「アレクサンドロス大王の肖像」、通称「アザラのヘルメス柱」 2世紀前半、リュシッポスによる原作(前340~前330年頃)に基づきイタリアで制作 イタリア、ティヴォリ出土 Photo © Musée du Louvre, Dist. RMN-GP / D. Lebée / C. Déambrosis / AMF-DNPartcom

 ひっそりと謙虚なたたずまいで展示されているのを見逃すなかれ。「アレキサンダー大王」といえば誰もが知る英雄。古代マケドニアの王として大帝国を築くなど偉業を成し遂げた。
 絶対的な権力をもつ大王の似姿をどう表現したのか。その容貌(ようぼう)は鍛えられた肉体美こそ尊いものとされた古代ギリシャ・ローマ時代の典型にみえる。理想化されているようでもあり、逆に勇敢な大王のオーラが消えているようでもある。
 真実はいかに。大王の顔を想像しながら鑑賞するのも楽しい。

ヤマザキマリさん(漫画家・随筆家)

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