「ヌード展」 【私の1点(下)】 中野京子さん(作家・独文学者) 神話世界の見事な美

ハーバート・ドレイパー 「イカロス哀悼」 1898年発表 Tate: Presented by the Trustees of the Chantrey Bequest 1898 Image©Tate, London 2017

 太陽に近づくな、と警告されながら、飛翔(ひしょう)の喜びと冒険心の赴くまま高く高く上ったあげく、翼を固めていた蝋(ろう)が溶けて墜落したイカロス。見果てぬ夢に命を懸けた若者の死を悼み、海のニンフたちがやさしく取り囲む。
 大画面に描き出される神話世界の何という美しさ、大胆な構図、見事な翼の表現。ドレイパーは昨年、上野の森美術館で開催された「怖い絵展」にも『オデュッセウスとセイレーン』が出品されたが、これを機会にいっそう知名度を上げてほしい。(寄稿)

中野京子さん(作家・独文学者)

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