【和田彩花のカイエ・ド・あーと】第22回 SIDE CORE

SIDE CORE

2022年末に六本木の森美術館で開催されている「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」に行ってきました。
個人的には、何度か見たことのある作品、作家さんの展示が多かったので、お久しぶりな作品たちとの再会が嬉しかったです。

今回お話ししたいのは、SIDE COREの「rode work」についてです。

こちらの作品を初めて見たのは5年ほど前に宮城県石巻を舞台としたリボーンアート・フェスティバルです。あのとき見たSIDE COREの作品の衝撃はずっと忘れられないものでしたが、2022年(私がこの展示を見たときは2022年でした)でも変わらず響いてくる作品だと感じました。

SIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD《rode work ver. Tokyo》
SIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD
《rode work ver. Tokyo》
2018/2022年
工事用照明器具、単管、チェーン、作業着、ビデオ、ほか
サイズ可変、ビデオ:5分3秒
展示風景:「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」
森美術館(東京)2022-2023年
撮影:木奥惠三  画像提供:森美術館

「rode work」は、夜間工事用照明器具やカラーコーンという日常で目にするものを使用しながら、シャンデリアをも想起させる立体作品です。

普段、私たちが目にしているものを表現媒体としたり、それ自体をアートとするような作品は珍しいものではないと思いますが、なかでも「rode work」シリーズはずっと好きな作品だったりします。
というのも、「rode work」を通して私の視点は、日常生活で使う道路から宮殿にあるシャンデリアという幅の広さを持つことができるからです。もちろん、両者に共通する「パワー」という言葉は異なる文脈で使われることも考えられたりします。

SIDE COREの作品を語るときに使われているストリートという言葉を私はどのように使えばいいかわからないのでここでは使用しませんが、私たちが普段歩き、生活している場所のすぐ近くに存在しているものがこうして美術作品となることで伝えられるメッセージがあると思っています。
そのメッセージなるものは、リボーンアート・フェスティバルなどの特定の場所で伝わるものであれば、美術館や展示室というなんか綺麗な場所でも力を発揮してしまえるものでもありました。これがこの作品の持ってる「パワー」かというような感じで、石巻で見たときとは異なる解釈の広がりを2022年末に感じました。

最後に、ここまで綴ってみたことは私が勝手に感じたり考えたりしていることであって、作品自体が主義やメッセージを強く発しているわけではなかったりするというところが最も興味深いところだと思っています。
こうやって私があれこれ考え楽しんでいたって、目の前の作品は、作家さんたちがめいっぱい遊んでみただけのようにも感じられたりするし、そんなところまで含めてこの作品が好きです。

※「rode work」は、リボーンアート・フェスティバル時はSIDE CORE(BIEN / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD)、「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」展ではSIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUADの作品となります。

<ココで会える>
「六本木クロッシング」は、森美術館が3年に一度、日本の現代アートシーンを総覧する定点観測的な展覧会。第7回目となる今回は、1940年代~1990年代生まれの日本のアーティスト22組の作品約120点を紹介。国際的な活躍が目覚ましいアーティストたちから今後の活躍が期待される新進気鋭の若手まで、創造活動の交差点(クロッシング)となる展覧会。3月26日まで。
展覧会公式サイト

和田彩花
和田彩花1994年8月1日生まれ、群馬県出身。アイドル。2009年4月アイドルグループ「スマイレージ」(後に「アンジュルム」に改名)の初期メンバーに選出。リーダーに就任。2010年5月「夢見る15歳」でメジャーデビューを果たし、同年「第52回日本レコード大賞」最優秀新人賞を受賞。2019年6月18日をもって、アンジュルム、およびHello! Projectを卒業。アイドル活動を続ける傍ら、大学院でも学んだ美術に強い関心を寄せる。
初のソロアルバム「私的礼讃」が好評配信中!

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