探訪・金沢② 金沢21世紀美術館「ミヒャエル・ボレマンス マーク・マンダース|ダブル・サイレンス」展開催中

マーク・マンダース《4つの黄色い縦のコンポジション》2017-2019 Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp, Tanya Bonakdar Gallery, New York and Gallery Koyanagi, Tokyo

兼六園から金沢市役所の方に坂を下っていくと、広場の中に丸い形をしたガラス張りの建物が見えてくる。金沢21世紀美術館だ。屋外には地中につながり声の行方が楽しい12個のチューバのような作品や、シアン・マゼンタ・イエロー(青・赤・黄)の3色のガラスの組み合わせで見る場所によって色が変化する恒久展示作品などがある。美術館自体も外壁がガラスで、内部もガラスの天井や光庭など開放的な雰囲気の建物だ。

同館では2020919日から「ミヒャエル・ボレマンス マーク・マンダース|ダブル・サイレンス」展が開かれている。二人とも1960年代生まれでベルギー在住。ヨーロッパの芸術の歴史を素地にしながら、他に類を見ないユニークな表現で世界的に知られている。

会場に入るといきなり大きな4体の人間の胸像が。左目の所には棒のようなものが付いている。素材は粘土のように見えるが実は青銅に着色したものだと言う。像はそれぞれ、わずかに大きさが異なり、置かれた角度も違う。見る角度によって全体の印象が変わる。

ミヒャエル・ボレマンス《天使》2013
Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp

展示室を移ると目に飛び込んでくるのは、黒い顔と巨大なサイズの「天使」。筋肉質の腕と大きな手。いわゆる「天使」とはあまりにも違うという違和感が、却って強い印象を与える。

マーク・マンダース《乾いた土の頭部》2015-2016
Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp

マンダースの作品はすべてが一つの大きな自画像を構成しているという。

通路を進むと突き当りの床にも展示品が(写真下)。見逃してしまいそうなほど、風景の中に溶け込んでいる。

マーク・マンダース《狐/鼠/ベルト(建物としてのセルフ・ポートレイトからの断片)》
Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp, Tanya Bonakdar Gallery, New York and Gallery Koyanagi, Tokyo

恒久展示のレアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》()も人気がある。上から見るとプールの底のように見える。「水面」を境にして上と下で人が出会う。

 

「ミヒャエル・ボレマンス マーク・マンダース|ダブル・サイレンス」展

2020年919日~2021228

金沢21世紀美術館(金沢市広坂)

詳しくは同美術館ホームページ

 

探訪・金沢③に続く

 

(読売新聞事業局美術展ナビ編集班・秋山公哉)

 

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