ねむるカビゴンはセザンヌのモデルにぴったり!?ポール・セザンヌ≪りんごとビスケット≫【「ポケモン」で読み解く、話題の1点!】第9回

1879-80年頃 オランジュリー美術館蔵 Photo © RMN-Grand Palais (musée de l’Orangerie) / Franck Raux /distributed by AMF

 

『近代絵画の父』セザンヌ。その傑作の一つとされるのが、《りんごとビスケット》です。《りんごとビスケット》というタイトルではあるものの、ビスケットはたったの2枚だけ。しかも、ビスケットが乗ったお皿は半分に見切れてしまっています。それに対して、「りんご(をモチーフにした絵)でパリを征服してみせる」と豪語していたというセザンヌだけに、りんごは多く描いています。数えてみると、実に14個。一人で食べられる量ではありません。「ねむっているとき いがいは エサを たべつづける。1にちに 400キロ たべないと まんぷくに ならない。」カビゴンなら、余裕で食べきれるのではないでしょうか。

 

「たべること いがいに きょうみが ない。 ひるねちゅうに おなかのうえに のっかっても まるで きにしないぞ。」というカビゴン。一度眠ってしまったら、なかなか目をさまさないカビゴンは、もしかすると、セザンヌのモデルに向いているかもしれません。というのも、セザンヌは肖像画のモデルが動くたびに「動くな!りんごは動かないぞ!」と声を荒げていたのだそう。カビゴンなら、ぐうぐう眠っていて、立派にモデルを務めることができるかもしれませんね。

(アートテラー・とに~)

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横浜美術館開館30周年記念 オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち

横浜美術館 開催中〜2020年1月13日(月・祝)

横浜美術館開館30周年を記念して開催される本展は、オランジュリー美術館が所蔵する146点の絵画群のうち13人の画家による69点が、21年ぶりにまとまって来日する貴重な機会です。画商ポール・ギヨームが基礎を築いた同館所蔵の印象派とエコール・ド・パリの作品群は、ルノワールの傑作《ピアノを弾く少女たち》をはじめ、マティス、ピカソ、モディリアーニらによる名作がそろったヨーロッパ屈指の絵画コレクションといえます。コレクションに秘められた物語とともに、世界中の人々に愛され続ける名品の数々をご堪能ください。

過去の「『ポケモン』で読み解く、話題の1点!」はこちら

 

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アートテラー・とに~

1983年生まれ。元吉本興業のお笑い芸人。
芸人活動の傍ら趣味で書き続けていたアートブログが人気となり、現在は、独自の切り口で美術の世界をわかりやすく、かつ楽しく紹介する「アートテラー」として活動。
美術館での公式トークイベントでのガイドや美術講座の講師、アートツアーの企画運営をはじめ、雑誌連載、ラジオやテレビへの出演など、幅広く活動中。
アートブログ https://ameblo.jp/artony/
《主な著書》 『ようこそ!西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ』(誠文堂新光社) 『こども国宝びっくりずかん』(小学館)

 

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