ラプラスが泳ぐかも!? クロード・モネ ≪アルジャントゥイユ≫に描かれたセーヌ川【「ポケモン」で読み解く、話題の1点!】第7回

クロード・モネ ≪アルジャントゥイユ≫

1875年 Photo © RMN-Grand Palais (musée de l’Orangerie) / Franck Raux /distributed by AMF

 

パリから北西へ約10km。セーヌ川の右岸に、「川のきらめき」という意味を持つ街アルジャントゥイユがあります。パリから汽車で15分程度。そのアクセスの良さも手伝って、印象派の画家たちが活躍した時代、アルジャントゥイユは舟遊びをする行楽地として人気を博しました。モネは、そんなアルジャントゥイユを気に入り、7年ほどこの街に住んでいたのだそう。アトリエ舟をセーヌ川に浮かべ、「川のきらめき」を描いていたようです

オランジュリー美術館が所蔵する《アルジャントゥイユ》もその時に制作された一枚。セーヌ川の上には、人々を乗せるための小舟やヨットが、たくさん浮かんでいます。もし、ここが、ポケモンの世界であれば、「ひとを のせて およぐのが すき。 アローラちほう では たいせつな すいじょうの こうつう しゅだん。」であるラプラスがいるかもしれませんね。

ところで、モネが愛したアルジャントゥイユですが、その後、産業化が急速に進み、のどかで美しかった風景が変貌してしまいます。工場が多数建設され、セーヌ川も汚染されてしまいました。そのため、川に棲む生物たちが絶滅の危機に瀕してしまったそうです。そんな話を聞くと、「ひとが ぜつめつの ききに おいこんでしまった。ゆうぐれどきになると すくなくなった なかまを さがして かなしそうな こえで うたうと いう。」ラプラスが、思わず、頭に浮かんでしまいます。

しかし、近年、水質が改善され、100年近くセーヌ川に不在となっていたタイセイヨウサケが戻ってきたそうです。嬉しいニュースですね♪ランランランララランランランララ♪

(アートテラー・とに~)

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▽この作品を鑑賞できる美術展はこちら
横浜美術館開館30周年記念 オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち

横浜美術館 開催中〜2020年1月13日(月・祝)

横浜美術館開館30周年を記念して開催される本展は、オランジュリー美術館が所蔵する146点の絵画群のうち13人の画家による69点が、21年ぶりにまとまって来日する貴重な機会です。画商ポール・ギヨームが基礎を築いた同館所蔵の印象派とエコール・ド・パリの作品群は、ルノワールの傑作《ピアノを弾く少女たち》をはじめ、マティス、ピカソ、モディリアーニらによる名作がそろったヨーロッパ屈指の絵画コレクションといえます。コレクションに秘められた物語とともに、世界中の人々に愛され続ける名品の数々をご堪能ください。

過去の「『ポケモン』で読み解く、話題の1点!」はこちら

 

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アートテラー・とに~

1983年生まれ。元吉本興業のお笑い芸人。
芸人活動の傍ら趣味で書き続けていたアートブログが人気となり、現在は、独自の切り口で美術の世界をわかりやすく、かつ楽しく紹介する「アートテラー」として活動。
美術館での公式トークイベントでのガイドや美術講座の講師、アートツアーの企画運営をはじめ、雑誌連載、ラジオやテレビへの出演など、幅広く活動中。
アートブログ https://ameblo.jp/artony/
《主な著書》 『ようこそ!西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ』(誠文堂新光社) 『こども国宝びっくりずかん』(小学館)

 

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