《万葉集》【「ポケモン」で読み解く、話題の1点!】第5回

《万葉集》

『万葉集』大伴家持ほか編 8世紀後半成立、江戸時代初期(17世紀)刊 20巻10冊

 

新元号の令和。その出典元となった「初春令月 気淑風和」というフレーズが収められている『万葉集』。天皇や貴族から、作者不詳の防人や農民まで、さまざまな身分の人が詠んだ4500首以上の和歌が全20巻にまとめられている日本最古の“歌のアルバム”です。
成立したとされるのは、奈良時代の末期。この頃、日本にはまだ平仮名もカタカナもありません。なので、「はる」は「波流」、「あめ」は「阿米」のように、ぜんぶ漢字だけで日本語を書いていたのです(「よろしく」を「夜露死苦」、「ぶっちぎり」を「仏恥義理」と書くのに近いものがありますね)。このように“日本語を表すために漢字の音を借用した表記方法”を、『万葉仮名』と呼びます。平仮名やカタカナと比べて、使われる文字の数が圧倒的に多いため、いまだに読み方が定まっていない文字もあるのだそうです。

文字といえば、シンボルポケモンのアンノーンを思い出す人もいるかもしれません。「こだいの もじに にた すがたの ポケモン。さきに うまれたのは もじか アンノーンなのか。けんきゅうちゅうだが いまだに なぞである。」もし、奈良時代の人がアンノーンを知っていたなら、全28種類のアンノーンで『万葉集』の和歌を表記していたかもしれませんね。

 

(アートテラー・とに~)

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漢字展―4000年の旅

開催中~2019923日(月・祝) 東洋文庫ミュージアム

古代中国で誕生した漢字は、世界史上もっとも字数が多い文字といわれています。日本へは5世紀頃に伝来し、日本語の発達および学問、文化と切り離せない存在です。本展では、漢字の成り立ち、漢字文化圏の広がり、日本における漢字文化、文字の由来など、日常的に使っていながら意外と知らないことの多い漢字にまつわる様々な知識を、国宝を始めとする文化財を中心とした展示によって分かりやすく紹介しています。

 

過去の「『ポケモン』で読み解く、話題の1点!」はこちら

 

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アートテラー・とに~

1983年生まれ。元吉本興業のお笑い芸人。
芸人活動の傍ら趣味で書き続けていたアートブログが人気となり、現在は、独自の切り口で美術の世界をわかりやすく、かつ楽しく紹介する「アートテラー」として活動。
美術館での公式トークイベントでのガイドや美術講座の講師、アートツアーの企画運営をはじめ、雑誌連載、ラジオやテレビへの出演など、幅広く活動中。
アートブログ https://ameblo.jp/artony/
《主な著書》 『ようこそ!西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ』(誠文堂新光社) 『こども国宝びっくりずかん』(小学館)

 

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