オーギュスト・ロダン《考える人》【「ポケモン」で読み解く、話題の1点!】第3回

オーギュスト・ロダン《考える人》
オーギュスト・ロダン≪考える人≫ 1881-82年 ブロンズ 国立西洋美術館(松方コレクション) 撮影:上野則宏
近代彫刻の父オーギュスト・ロダン。《接吻》や《カレーの市民》など、数多くの名作を残していますが、やはりその代表作は、考えるまでもなく《考える人》でしょう。国立西洋美術館の前庭には拡大作が、現在開催中の“松方コレクション展”ではオリジナルサイズが、それぞれ展示されています。‟考える“人という名ではあるものの、体つきは学者タイプではなく、まるでアスリート。一見すると楽そうに見える、右ひじを左膝の上につき、右手の甲に顎を乗せるこのポーズですが、実際にやってみると、かなり体に負荷がかかります。一度、僕も真剣にチャレンジしたことがありますが、20分が限界でした。
さてさて、《考える人》の強靭な肉体を見ていると、頭に思い浮かんでくるのが、かいりきポケモン・ゴーリキー。ポケモンずかんにある「ぜんしんの きんにくに ちからが みなぎっている。じっと していても すごい いあつかんを だしている。」というフレーズは、《考える人》の感想にもピッタリ当てはまるかもしれません。なお、ゴーリキーは「ちょうこくの モチーフとして にんき。 きたえぬかれた きんにくが おおくの げいじゅつかを とりこに している。」とのこと。もしかすると、ポケモンの世界のどこかには、ゴーリキーをモデルにした《考えるゴーリキー》があるかもしれませんね。
(アートテラー・とに~)
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開催中~2019年9月23日(月・祝) 国立西洋美術館
国立西洋美術館が1959年に設立されるきっかけとなった「松方コレクション」。西美開館60周年を記念した本展では、今はオルセー美術館に所蔵されているゴッホの傑作≪アルルの寝室≫や、長年行方が分からず2016年に発見されて話題を呼んだモネの≪睡蓮、柳の反映≫など、国内外に散逸した名品も含めた松方旧蔵作品など約160点を歴史資料とともに展示しています。
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アートテラー・とに~
1983年生まれ。元吉本興業のお笑い芸人。
芸人活動の傍ら趣味で書き続けていたアートブログが人気となり、現在は、独自の切り口で美術の世界をわかりやすく、かつ楽しく紹介する「アートテラー」として活動。
美術館での公式トークイベントでのガイドや美術講座の講師、アートツアーの企画運営をはじめ、雑誌連載、ラジオやテレビへの出演など、幅広く活動中。
アートブログ https://ameblo.jp/artony/
《主な著書》 『ようこそ!西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ』(誠文堂新光社) 『こども国宝びっくりずかん』(小学館)