葛飾北斎《山下白雨》 【「ポケモン」で読み解く、話題の1点!】第1回

葛飾北斎《冨嶽三十六景 山下白雨》

アレン・メモリアル美術館

日本が世界に誇る浮世絵師・葛飾北斎。その代表作といえば、ご存知《冨嶽三十六景》です。「三十六景」とありますが、どんな世界でも人気があれば、続編が作られるもの。36図が出版されたあとに、10図が追加出版されたので、正しくは「四十六景」が描かれています。中でも特に人気が高いのが「三役」と呼ばれる3作品。世界的には“The Great Wave”の名で知られる《神奈川沖浪裏》、赤富士と呼ばれる《凱風快晴》、そして、赤富士に対し黒富士と呼ばれる《山下白雨》です。富士山の裾野を黒く染めている正体は、積乱雲。頭を積乱雲の上に出し、雷様を下に聞く。まさに童謡『ふじの山』そのものの光景が描かれているようにも思えます。

しかし、雷を発生させているのは、本当に積乱雲なのでしょうか?ポケモン好きな方ならば、ピカッと光る稲妻を目にして、きっとピカチュウを思い浮かべたことでしょう。ポケモンずかんによれば、ピカチュウは「ときどき おもいきり ほうでん しないと ストレスを かんじる。」とあります。もしかしたら、ピカチュウがストレス発散のために放電しているのかもしれませんね。作品の前で耳を澄ませば、ザーザーという白雨の音に交じって、「ピカッ!」という鳴き声も聞こえてくるようです。

(アートテラー・とに~)

 

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オーバリン大学アレン・メモリアル美術館所蔵
メアリー・エインズワース浮世絵コレクションー初期浮世絵から北斎・広重まで静岡市美術館 6月8日(土)~7月28日(日)

 

アメリカ・オーバリン大学のアレン・メモリアル美術館には、メアリー・エインズワース(1867-1950)が、母校に寄贈した1500点以上の浮世絵版画が所蔵されています。本展覧会は、メアリー・エインズワース浮世絵コレクションから、春信、歌麿、写楽、北斎、広重など、珠玉の200点を選りすぐり紹介する、初めての里帰り展です。

 

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アートテラー・とに~

1983年生まれ。元吉本興業のお笑い芸人。
芸人活動の傍ら趣味で書き続けていたアートブログが人気となり、現在は、独自の切り口で美術の世界をわかりやすく、かつ楽しく紹介する「アートテラー」として活動。
美術館での公式トークイベントでのガイドや美術講座の講師、アートツアーの企画運営をはじめ、雑誌連載、ラジオやテレビへの出演など、幅広く活動中。
アートブログ https://ameblo.jp/artony/
《主な著書》 『ようこそ!西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ』(誠文堂新光社) 『こども国宝びっくりずかん』(小学館)

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