【アートテラー・とに~の今月コレを見逃しちゃいけま展!】秋深し。京都に行った気分になれる展覧会トップ2+α

秋が深まってきましたね。毎年このシーズンになると、訪れたくなる地があります。それは、京都。ふとした瞬間に、脳内であのBGMが再生され、僕の中の長塚京三さん(←?)が囁くように京都行きを促すのです。あぁ、あのCMの影響で、京都に何度行ったことでしょうか。(余談ですが、長塚さんがナレーションを務めるのは、今年が最後らしいですね)
きっと僕と同じように、秋になると京都に無性に行きたくなる人は多いはず! でも、京都に旅行する余裕が今は無くて……。そんな皆様にお送りするのが、今回の「秋深し。京都に行った気分になれる展覧会トップ2+α」です。そうだ 京都、行ったつもりになろう。

 

その1 サントリー美術館「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-」9/1911/11
国宝 「薬師如来および両脇侍像」平安時代、醍醐寺蔵   画像提供: 奈良国立博物館/撮影: 佐々木香輔

古都京都の世界遺産で、豊臣秀吉の「醍醐の花見」でも有名な醍醐寺。国宝や重要文化財を含む、その至宝を一挙公開する贅沢な展覧会です。仏像や仏画など、仏教美術の名品はもちろんのこと、華麗な障壁画や俵屋宗達による絵画、足利尊氏や歴代天皇ら歴史上の人物との深い関わりを示す書状など、さまざまなジャンルの美術品が紹介されています。まさに日本美術の醍醐味が味わえる展覧会といえましょう。
展覧会の目玉は何と言っても、国宝の《薬師如来および両脇侍像》。もともとは、上醍醐薬師堂の本尊でしたが、2001年より下醍醐の霊宝館に遷座された仏像です。その大きさは、圧巻の約2m。サントリー美術館史上、過去最大級の展示物なのだとか。よくぞ東京にお越しくださいました、と思わず手を合わせずにはいられませんでした。

その2 東京国立博物館「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」(10/212/9


北野天満宮のほど近くに位置する古刹で、地元の人々に「千本釈迦堂」の通称で親しまれている大報恩寺。そちらに伝わる慶派の仏像の名品をまとまった形で紹介する初の展覧会です。
運慶とともに鎌倉時代を代表する仏師、快慶が制作した《十大弟子立像》や、運慶の晩年の弟子である肥後定慶が制作した《六観音菩薩像》が、一体も欠けることなく全員で上京してくれています。さらに、快慶の一番弟子といわれる行快作の《釈迦如来坐像》も東京初上陸。こちらは、大報恩寺の秘仏本尊。京都へ行ったからといって、簡単には拝むことが出来ない貴重な仏像です。しかも、今展覧会では、360度どこからでも拝観可能。二度と目にする機会はないであろう美しい背中を、しっかりと目に焼き付けてくださいませ。

プラスα 京都国立博物館「京のかたな 匠のわざと雅のこころ」(9/2911/25


いろいろ観ていたら、やっぱり京都に行きたくなった!
そんな方にオススメしたいのが、現在、京都国立博物館で開催中のこちらの展覧会。京博120年の歴史上初となる大規模な刀剣展で、刀の名産地の一つ、山城伝=京都で生まれた刀剣の名品を中心に約200点(!)が紹介されています。《太刀 銘三条(名物三日月宗近)》を筆頭に、国宝や重要文化財に指定されている山城系鍛冶の刀剣をほぼ網羅! さらに、坂本龍馬が愛用していた《銘吉行 刀》をはじめ、歴史上の人物にゆかりある刀剣も多数紹介されていました。刀剣ファンならずとも抑えておきたい展覧会です。
ちなみに、一昔前までは、刀剣の展覧会の会場では、ほとんど渋いおじさましかいなかったものですが、数年前より、刀剣をイケメンキャラ化したゲームが若い女性の間で大ヒット。刀剣女子が急増しています。もちろん今展の会場にも、そんな刀剣女性が多く詰めかけていました。
彼女らは、アイドルを見るようなキラキラした目で、刀剣を食い入るように鑑賞。「カッコイイー♪」という黄色い声をあげていました。スゴい時代になったものです。

 

******************

アートテラー・とに~

1983年生まれ。元吉本興業のお笑い芸人。

芸人活動の傍ら趣味で書き続けていたアートブログが人気となり、現在は、独自の切り口で美術の世界をわかりやすく、かつ楽しく紹介する「アートテラー」として活動。

美術館での公式トークイベントでのガイドや美術講座の講師、アートツアーの企画運営をはじめ、雑誌連載、ラジオやテレビへの出演など、幅広く活動中。

アートブログ https://ameblo.jp/artony/

《主な著書》 『ようこそ!西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ』(誠文堂新光社) 『こども国宝びっくりずかん』(小学館)

直前の記事

【スペシャリスト 鑑賞の流儀】 作家・大岡玲×「フェルメール展」

「スペシャリスト 鑑賞の流儀」は、さまざまな分野の第一線で活躍するスペシャリストが話題の美術展を訪れ、一味違った切り口で美術の魅力を語ります。 今回は作家の大岡玲さんに、上野の森美術館(東京・上野公園)で開催中の「フェル

続きを読む
新着情報一覧へ戻る