【アートテラー・とに~の今月コレを見逃しちゃいけま展!】ボリューム満点! “メガ盛”展覧会トップ3

 

いよいよ夏本番! 海水浴や山遊びといったアウトドアのレジャーもいいですが。暑い夏だからこそ、日差しを避けて、屋内の美術館へ! 紫外線を気にせず、快適な時間を過ごしましょう。しかも、美術品からパワーを得られることで、心が夏痩せするのも防げますよ。
特に今年の夏は、猛暑となる模様。スタミナのつくものを、たっぷりと食べてエネルギー補給するように、たくさんの美術品からパワーをもらって、心のエネルギーをたっぷりとチャージしたいところです。
そこで今回は、展示品の質はもちろんのこと、展示品の量も申し分のない展覧会トップ3をご紹介したいと思います。題して、「ボリューム満点! “メガ盛”展覧会トップ3」。今回紹介するのはいずれも、じっくり観てしまうと、時間がいくらあっても足りない展覧会。タイムスケジュールには余裕をもって、お出かけくださいませ!

 

その1 国立新美術館「ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」(5/30~9/3)

フィレンツェ・ルネサンスの女性肖像画の最高傑作が、レオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》ならば、ヴェネツィア・ルネサンスの女性肖像画の最高傑作は、ヴェロネーゼの《女性の肖像》。通称、《美しきナーニ》でしょう。普段ルーヴル美術館では、《モナ・リザ》と同じ部屋に飾られているこの名作が27年ぶりに来日しています! これは見逃せません。しかし、今回のルーヴル美術館展は、よくある〇〇美術展のような一点豪華主義的な展覧会ではありません。

 

他にも、レンブラントやゴヤ、アルチンボルドら西洋美術の巨匠たちによる肖像画の名品、さらには、ナポレオンやマリー・アントワネットといった歴史上の有名人の肖像作品の名品も取り揃えられています。その数、実に約110点! どれもこれもメインディッシュ。あれも食べたい。これも食べたい。と目移りしてしまうこと必至。高級ホテルブッフェのような展覧会です。あまりにもボリューミーなので、展覧会の鑑賞後、数日間くらいは余韻が残ります。

 

その2 森美術館「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」(4/259/17

展示風景:「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」森美術館、2018年
撮影:来田 猛
画像提供:森美術館(東京)

 

ここ近年、建築の展覧会がじわじわとブームとなっています。そんな中、開館当初から建築展をコンスタントに開催してきた森美術館が、満を持して開催するのが、今回の建築展です。展覧会のテーマは、『建築大国ニッポン』。実は、日本は世界でもトップクラスの建築大国。数多くの日本の建築家が、世界をフィールドに活躍しています。なぜ、日本が建築大国となりえたのか? 日本建築史上における重要なプロジェクトの数々を通じて、その秘密を明らかにする展覧会です。古代は出雲大社から現在進行中の建築計画まで、紹介されているプロジェクトは、実に100! それらに関する貴重な模型や資料などの総数は、400点超え! 展覧会を監修した建築史家で建築家の藤森照信さんでさえ、記者会見で、「途中で見るのが疲れました」 とジョークを飛ばしていたほどのボリュームです(笑)。
「建築ってよくわからない……」という方もご安心を。平等院鳳凰堂や厳島神社といったおなじみの日本建築も紹介されていますよ。さらには、千利休の作とされる国宝の茶室《待庵》が原寸大で再現されています。本物は内部に入れませんが、こちらでは内部にも入れます。しかも、写真撮影OKですよ!

 

伝千利休
《待庵》
1581年頃(安土桃山時代)/2018年(原寸再現)
制作:ものつくり大学
展示風景:「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」森美術館、2018年
撮影:来田 猛
画像提供:森美術館(東京)
その3 太田記念美術館「江戸の悪 PART II」(6/27/29
歌川国芳『木下曽我恵砂路』個人

 

石川五右衛門に、幡随院長兵衛に、悪女に妖術使いに、エトセトラに。
悪いヤツが描かれた浮世絵が大集結! 「全員悪人」 まさに『アウトレイジ』のような展覧会、それが「江戸の悪 PART II」です。前作にあたる「江戸の悪」は、2015年に開催され、想定外に大好評だったそう。そこで、熱気が冷めやらぬうちに、早くも続編を開催することにしたようです。太田記念美術館、お主も悪よのぅ。満を持しての第2弾ということで、会期は2倍に! 作品数も2.5倍に大増量しています! 「わるいやつら」のパワーに当てられすぎて、自分が悪の道へと引きずりこまれないよう、くれぐれもご注意くださいませ。

月岡芳年『英名二十八衆句 福岡貢』太田記念美術館

さらに、今年は、東洋文庫ミュージアムや國學院大學博物館、銀座 蔦屋書店など、都内6か所の施設と連携! 同時多発的に、各施設で『悪』をテーマにした展覧会が開催されています。知らず知らずのうちに、都内の美術界に悪が蔓延していたようです。

 

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アートテラー・とに~

1983年生まれ。元吉本興業のお笑い芸人。

芸人活動の傍ら趣味で書き続けていたアートブログが人気となり、現在は、独自の切り口で美術の世界をわかりやすく、かつ楽しく紹介する「アートテラー」として活動。

美術館での公式トークイベントでのガイドや美術講座の講師、アートツアーの企画運営をはじめ、雑誌連載、ラジオやテレビへの出演など、幅広く活動中。

アートブログ https://ameblo.jp/artony/

《主な著書》 『ようこそ!西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ』(誠文堂新光社) 『こども国宝びっくりずかん』(小学館)

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