
<城、その「美しさ」の背景>第7回「江戸城天守と富士見櫓」 桁外れのスケールと究極の合理性 香原斗志
史上空前の城の特別な天守 日本史上最大の城は、いうまでもなく徳川将軍家の居城、江戸城である。二百数十年におよんだ太平の世の重石として機能した城だから、すべてにおいてスケールが違う。なにしろ内郭の周囲がおよそ2里(約7.8
史上空前の城の特別な天守 日本史上最大の城は、いうまでもなく徳川将軍家の居城、江戸城である。二百数十年におよんだ太平の世の重石として機能した城だから、すべてにおいてスケールが違う。なにしろ内郭の周囲がおよそ2里(約7.8
ヴェネツィアを思わせる巨大な海城 高松城は江戸時代、日本でいちばん美しい城のひとつだったかもしれない。城の北面は瀬戸内海に接し、海岸から直接、石垣が立ち上っていた。つまり、石垣の裾を波が洗い、そのうえに櫓が建ち並び、櫓は
天守はなくても百万石にふさわしい城 加賀百万石。徳川家をのぞけば前田家は、江戸時代を通じて全国最大の大名だった。もちろん、その居城である金沢城は、百万石にふさわしい城だった。 ただし、金沢城に天守はなかった。天正
最初期の面影を最もとどめる新しい天守 個人の趣味をいいすぎるのはどうかと思いながら、あえて少しだけいえば、安土城天主や豊臣秀吉の大坂城天守のような、大きな入母屋屋根に平面が正方形の小さな望楼が載った天守が好きだ。扇の勾配
歴史評論家・香原斗志さんの好評連載。3回目はこちらも日本を代表する名城。今なお巨大都市のシンボルです。 将軍家の威信をかけた最大級の天守 中学生のとき、炎上する名古屋城天守の写真を見て衝撃を受けた。名古屋城がB29の
歴史評論家、香原斗志(かはら・とし)さんがお城の「美」を語る連載。第2回は琵琶湖にほど近い、戦略上の要衝に築かれた名城です。 小さいことに気づかないほど華麗な天守 彦根城の天守は、天守台を除いた建物自体の高さが約15.
日本人のお城好きは特別のものがあります。テレビでは頻繁に「名城」を取り上げる番組が放送され、お城をテーマにした出版物も人気です。「日本100名城」巡りなどを楽しむ方も少なくありません。ただ、そうした中、お城の「美しさ」に