• (下)朝顔 ドーム兄弟も魅了

    葛飾北斎は、エミール・ガレやドーム兄弟といったアール・ヌーボーの作家たちにも影響を与えた。19世紀末から20世紀初頭にかけて優雅な装飾を追求した彼らは、北斎の描く動植物を工芸品の図案の参考にした。デザイン性に優れ、生き生きとした描写が新鮮だったからだ。西洋には切り花などを題材にした静物画はあったが、土に根を下ろした植物を主役に据える作品はほとんどなかったのだ

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  • (中)モネも捉えた見えない風

    無数の懐紙が宙に舞う。めくれ上がったり、波打ったり。葛飾北斎は、一枚一枚に表情をつけて風の動きを見事に捉えた。
     目に見えないものや、波など形の定まらないものをも描き出す「画狂」ぶり。透視図法にのっとった西洋画にはあまり見られない、手前中央に樹木を配して画面を分断する構図。新たな表現を模索していた西洋の画家たちは、北斎の風景画にも衝撃を受けた。

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