プラド美術館展 川瀬佑介氏講演会

「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」の関連講演会を7日、国立西洋美術館(東京・上野)で開催しました。
本展の監修を務める国立西洋美術館主任研究員の川瀬佑介氏が「ベラスケスとス ペインの風景」をテーマに講演し、17世紀のスペインにおける風景表現の発展について紹介しました。
17世紀のスペイン人画家たちはイタリアやフランドルから持ち込まれた風景画を手本にしていたため、スペイン国内やその他地域を描いた作品の背景もイタリアやフランドルの風景表現の影響がみられます。
その中でベラスケスは、実際のスペインの風景を写実的に描いた作品も残しました。本展に出品されている「王太子バルタサール・カルロス騎馬像」の背景に描かれている山並みは、マドリード郊外にある実際の山を特定できるほど写実的な表現であり、当時のスペインとしては画期的なものでした。 ベラスケスの写実的な風景表現が一つのきっかけとなり、その後のスペインでの風景表現の発展がみられるようになったとの解説に、聴講者は熱心に耳を傾けていました。
国立西洋美術館での次回のプラド美術館展関連イベントは、4月14日(土)午後2時、筑波大学准教授の宮崎和夫氏による講演会です。詳細はこちら。