プラド美術館 本展監修者からのメッセージ

「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」監修者からメッセージが届きました。

ディエゴ・ベラスケス(1599-1660年)は西洋絵画史における最も重要な画家のひとりであり、スペインのいわゆる「黄金時代」の中心的人物です。彼は生地セビーリャにおいて、画業をスタートさせました。そして1623年から没するまではマドリードの宮廷を舞台に、国王フェリペ4世を最大の顧客として制作しました。

国王や宮廷の人々の肖像画に手腕を発揮したほか、宗教画、神話画、いくつかの風景画も手掛けています。ベラスケスは一般的にスペイン絵画史の流れの中で語られますが、彼の芸術はより広範な文脈に根差しています。スペイン王国はイベリア半島に加え、フランドル、イタリアの重要な諸地域、中南米、そしてフィリピンなども統治した国際的な性格を有していました。その国際性は国王のコレクションに反映されており、特にフランドル絵画やイタリア絵画は充実しています。

当時の国際的な背景は、とりわけ1623年以降のベラスケスの芸術を理解するために重要です。彼に最も強く影響を与えたのは、ティツィアーノ、ティントレット、あるいはルーベンスといった国王のコレクションを代表する芸術家たちの作品でした。
本展は、日本の皆さまにこうした側面からベラスケスに関心を持っていただくことを目的としています。そのために、ベラスケスやスペインの王室コレクション、あるいは広く黄金時代のスペイン絵画に関する61点の作品を選びました。そのうち10点がイタリア絵画で、同じく10点はフランドル絵画、2点はフランス絵画です。そしてスペイン絵画には17世紀を代表するすべての画家の作品が含まれます。

この展覧会が、皆さまにベラスケスの芸術について知っていただくだけでなく、同時代のスペインおよびヨーロッパの美術との関連のもとに理解され、また、スペイン黄金時代の社会と宮廷の一端に触れていただく機会になれば幸いです。

プラド美術館 スペイン絵画(1700年以前)部長 ハビエル・ポルトゥス

直前の記事

最新一覧

読売新聞社の展覧会

第69回 正倉院展
ヌード NUDE―英国テート・コレクションより
Slider
ページトップへ