アンリ・マティス
(1869 ル・カトー゠カンブレジ— 1954 ニース郊外)

《赤いキュロットのオダリスク》
1924-25年頃、油彩・カンヴァス、50.0×61.0cm
マティスはフォーヴィスム(野獣派)を主導した画家。パリに出て、ルオーやドラン、ヴラマンクらと出会い、強烈な色彩と激しい筆致の作風を確立しました。1917年からしばしば南仏ニースに滞在し、モロッコ旅行の体験をもとに、オダリスクを主題とする装飾性豊かな作品を描きました。室内の空間性や女性の肉体の生々しさは希薄で、全体が赤を基調とする装飾のなかに溶け込んでいます。