レポート

スマホで《接吻》を撮影しよう! スマフォト講座開催レポート

 

4月28日(土)、ゴールデンウィークに入ってますます賑わう本展において、イベント『美術館でアートを撮ろう! iPhonegrapherが伝授するスマフォト講座 ロダン《接吻》』が開催されました。

 

美術館や展覧会において、出展されている作品の写真撮影が緩やかに解禁されつつある昨今ですが、本展においても目玉と言える作品のひとつ、オーギュスト・ロダン《接吻》をどなたでも撮影することができます。(※混雑状況により主催者の判断で中止する場合もあります。)このイベントは、そのロダンの《接吻》を被写体に撮影会を行うというものです。ただ撮影を行うだけではなく、美術作品をスマートフォンで撮影する際のコツやマナー、さらには写真を加工するアプリの紹介やテクニックを伝授する「スマフォト講座」もあわせて行われました。

 

撮影のコツをレクチャー

 

スマフォト講座の講師として登壇いただいたのは、世界で初めてiPhonegrapherを名乗った写真家、SASURAUこと三井公一さん。三井さんは早くからiPhoneでの本格的な撮影を行い、iPhoneのみで撮影した写真集を手がけた、iPhoneでの写真撮影のパイオニアです。そしてアートやデザイン、テクノロジーに造詣が深いジャーナリストのチバヒデトシさんが本イベントのモデレータを務めました。

 

スマフォト講座では、はじめに横浜美術館の片多祐子学芸員によるロダン《接吻》についての作品解説がありました。《接吻》はダンテの『神曲』「地獄篇」に登場するフランチェスカ(女性像)と夫の弟、パオロ(男性像)の悲恋をモチーフに制作されたものです。《接吻》の大理石像はロダンの生前に3体制作されており、2体は通常彫刻に用いられるイタリアの大理石が使われていますが、テート所蔵のこの作品はギリシアのペンテリコン大理石が使われ、より白く肌のような質感を再現しており、最も美しいとされています。こうした情報により作品をよく知った上で撮影を行えば、より撮影する際の表現にも深みを与えることができそうです。

 

撮影ポイント3点

 

三井さんからは、被写体の《接吻》が彫刻作品であることから、「光を意識する」、「構図に気を配る」、「自分らしさを出す」という3つのポイントをアドバイスいただきました。

 

じっくり作品を観察して、あらゆる方向から撮影したり、大胆なアングルを見つけるのもコツ。スマホ撮影の場合、縦長のまま撮影をしがちですが、横長をうまく使ってみるといい写真が撮れるということでした。

 

より確実に撮影するためのポイントとして、ブレないように撮影するにはスマホを持った手に軽く片手を添えるだけで十分ブレが防げるということでした。また、作品のパーツにできるだけ近寄って撮りたいという気持ちはわかりますが、ズームであまり寄りすぎると画像が荒くなるので要注意。だからと言って、手を伸ばして作品に近づき過ぎ、万一の事故がないように心がけましょう、という美術館ならではの注意もありました。

 

《接吻》は今回、専門の照明チームがライティングを担当しており、誰が撮っても美しい仕上がりが期待できますが、それだけに自分らしさを追求して、他とは違った写真にする楽しみがありそうです。

 

石膏像で実演する三井氏

 

後半では撮影した写真をより自分らしく加工するテクニックが紹介されました。標準の撮影アプリでも目からウロコの使い方が次から次へと出てきて、参加者のみなさんは大きく頷いたり、思わず手元のスマートフォンに見入ったり。さらに無料アプリの「Snapseed」を使った、さまざまな機能やテクニックには感嘆する声も。とりわけ、通称「ゴミ取り」(スポット修正)を使って不要な部分を消す機能を紹介したところで、不用意に写り込んでしまった人物をいとも簡単に消し去った時には歓声さえ上がりました。

 

実践の様子

 

講座受講後はいよいよ閉館後の美術館に進み《接吻》の展示室へ。参加のみなさんは、実際にじっくり《接吻》を撮影しては、自分が撮影した写真をInstagramに公開。また撮影してアプリで加工を加えてアップ。中にはびっくりするようなアングルを見つけたり、美術館の展示室が持つ直線と彫刻の曲線を対比させたような写真を撮ったり。参加者同士で《接吻》を真似て、まさにInstagramらしい写真を撮ったりと、実に多種多様。同じ彫刻を撮影しているのに、これほどまでに個性を出すことができたのは、三井さんのアドバイスだけでなく、みなさんの個性がいい形で写真に結実したものと言えるでしょう。

 

 

最後にInstagramに公開された参加者のみなさんの写真を、三井さんとチバさんが講評し、100点を超える力作の中から6点の優秀作品を選出。その中から、みなさんの拍手が大きかったお三方を最優秀作品に選ばせていただき、本展オリジナルグッズのプレゼントが手渡されました。

 

 

イベント終了後、当日はもちろん、それ以降も、イベント用に用意したハッシュタグの「#ロダン横浜」、本展ハッシュタグの「#ヌード展」には途切れず、写真が公開され続けており、参加者のみなさんはすっかり《接吻》と「スマフォト」の虜になったようでした。その様子は、Instagramで#ロダン横浜、#ヌード展のハッシュタグから検索して、ぜひご覧ください。

 

 

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