本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語

東京都

本橋成一は東京に生まれ、50年以上にわたり、写真と映画によって、揺れ動く社会とそこに暮らす人々の姿を記録してきた。一方ロベール・ドアノーは、パリや自身が生まれたパリ郊外を舞台として、常にユーモアをもって身近にある喜びをとらえてきた。生まれた時代・地域が異なる二人の写真家だが、奇しくも炭鉱、サーカス、市場など、同じテーマによる優れたルポルタージュを残している。そして、それぞれに第二次世界大戦による混乱を経験した二人は、慎ましくも懸命に生きる人々の営みの中に、力強さと豊かさを見出し、失われゆく光景とともに写真に収めてきた。多くの対立、紛争の絶えない現代において、人間に対する際限のない愛情と好奇心が生み出す視線、そしてユーモアや優しさをもって現実や社会と関わった二人の写真家によって編み出される物語を通して、生きることの豊かさについて考える機会となってほしい。

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