「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 ―瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄(富山展)

日本の写真史において前衛写真は、シュルレアリスムと抽象主義の影響を受けて1930年代に台頭した。1938年には「前衛写真協会」が結成され、その中心人物の瀧口修造は、写真の本質である記録性を重視し、技巧に走りつつあった当時の傾向に警鐘を鳴らし、超現実主義は「日常現実のふかい襞のかげに秘んでいる美を見出すこと」であると主張した。一緒に協会を立ち上げた阿部展也は、瀧口に共鳴し、オブジェや風景の写真を発表。2人の影響を強く受けた大辻清司は、「なんでもない写真」と題したシリーズを手掛けた。大辻の愛弟子の牛腸茂雄は、技巧に凝らず日常を誇張なしに撮影した「コンポラ写真」の代表的な一人として注目された。
本展は、1930年代の前衛写真から1980年代への展開のなかに連綿と流れてきた瀧口の思想の様相を、4人の作品や資料を中心に、ウジェーヌ・アジェ、マン・レイなど関連作家の作品を加えて紹介する。
※会期中展示替えあり
開催概要
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会期
2023年6月3日(土)〜7月17日(月) -
会場
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観覧料金
当日一般900円
詳細は公式サイトへ
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休館日
水曜日
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