出来事との距離 -描かれたニュース・戦争・日常

東京都

ニュースや戦争を描いた作品に触れるとき、時代や立場によって表現できることが違うことに気づく。また当事者として経験したことも、時が経ってからやっと伝えらえることがあるだろう。例えば同時代の事件を描けなかった江戸期の浮世絵は、故事や古典になぞらえて時事を伝えようとした。また自身の軍隊経験を描いた浜田知明は、時を経るにつれ戦争の構造に迫る作品も発表していった。
本展ではこうした視点から同館収蔵品を紹介するとともに、若手アーティストたちの作品も展示。なかでも特集する松元悠は、メディアやSNSが伝えるニュースの現場を訪れて想像を働かせ、当事者の姿を自画像で描くことで、日常と地続きにある「事件と人間の不可解さ」に分け入る注目のアーティストである。
本展を通じて過去、現在のアーティストが「出来事との距離」にいかに向き合ってきたかを探る。

開催概要