田沼武能 人間讃歌

東京都

田沼武能は、東京写真工業専門学校(現・東京工芸大学)卒業後、写真家・木村伊兵衛に師事し、『芸術新潮』の嘱託写真家として芸術家や文化人を撮影、その後はタイム・ライフ社の契約写真家となるなど、フォトジャーナリズムの世界で華々しい活躍を展開した。1972年からはライフワークとして世界の子どもたちを撮影、黒柳徹子ユニセフ親善 大使の各国訪問に私費で同行取材を行い、生涯で130を超える国と地域に足を運んだ。
田沼は国内外で精力的な取材活動を展開し、自身の作品を発表し続け、その旺盛な 好奇心と行動力は生涯衰えることはなかった。その一方で、母校・東京工芸大 学で後進の指導にあたり、日本写真家協会会長、日本写真著作権協会会長、日本写真保存センター代表など写真界の要職を歴任しながら、わが国の写真文化の普及啓発、写真の著作権保護にも力を注ぐなど、大きな役割を果たした。本展では未発表最新作「武蔵野」を初公開するとともに、ヒューマニスティックなまなざしで人間のドラマを描き続けてきた田沼の70年を超える写真家としての軌跡を辿る。

開催概要