アーツ・アンド・クラフツとデザイン ーウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまでー(長野展)

長野県

19世紀イギリスを代表する詩人、思想家であり、「モダン・デザインの父」と呼ばれた芸術家でもあるウィリアム・モリス(1834~1896)。モリスは、産業革命後に失われつつあった、職人たちの手仕事による制作活動の復興を目指した。また、その丁寧な手仕事から生まれる美しさを人々の暮らしに取り入れ、身近な生活と芸術を統合した「美しい暮らし」を主張した。その思想に共鳴したデザイナーや建築家により発展したのが、アーツ・アンド・クラフツ運動である。
1888年、ウォルター・クレイン(1845~1915)らを中心に、第1回アーツ・アンド・クラフツ展が開催された。この展覧会の継続とともに、アーツ・アンド・クラフツの思想はイギリス全体へ浸透し、さらには欧米を中心に広がり、日本にまで波及した。近代デザインの先駆けとなったこの運動は、現在も世界各地に息づいている。
本展は、モリスをはじめとしたイギリスの作家を中心に、アメリカでのアーツ・アンド・クラフツ運動の象徴で、20世紀を代表する建築家フランク・ロイド・ライト(1867~1959)の作品まで約170点を紹介。テキスタイルや壁紙、家具、ジュエリー、ガラス器、金工、タイル、書籍などを通して、暮らしを彩るデザインが楽しめる。

開催概要