顕神の夢 ―幻視の表現者― 村山槐多、関根正二から現代まで

神奈川県

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非合理的で直接的な経験が表現者にとってかけがえのないモチベーションとなり得ることは確かであり、それはある種の宗教的な体験に似ていますが、宗教以前のものであり、宗教のもととなる出来事とも解釈できる。表現者たちは、訪れたヴィジョンをたよりに、自己を超えた名状し難い「何か」を捉えるべく身を焦がす思いで制作する。「何か」へのあこがれや思慕は、漠とした信仰心の発露ともいえる。 しかし、描けば描くほど、作れば作るほど、その「何か」は、表現者の手からすり抜け別のものとなり替わってしまう。そのため、彼らは向こうから「何か」がやってくるのを待つしかない。本展ではこのような心情を仮に「顕神の夢」と名付けてみた。
本展は、今までモダニズムの尺度により零れ落ち、また、十分に評価されなかった作品に光をあてる。また、すでに評価が定まった近代の作品や、批評の機会を待つ現代の作品を、新たな、いわば「霊性の尺度」でもって測りなおすことにより、それらがもつ豊かな力を再発見、再認識する試みである。

開催概要