開館60周年記念 Re: スタートライン 1963-1970/2023 現代美術の動向展シリーズにみる美術館とアーティストの共感関係

「現代美術の動向」展は、京都国立近代美術館が開館した1963年から1970年まで毎年開催された、定点観測的なグループ展シリーズである。国公立の美術館がまだ少なかった1960年代当時、日本の現代美術の中堅・若手作家を紹介する展覧会として大きな注目を集めた。
全9回におよぶ「動向」展が取り上げた作家・作品は、素材や形式も実にさまざまだ。高度経済成長期を迎えた1960年代は、社会や人々の生活の変化を背景に、絵画や彫刻といった既成の区分の逸脱と、形式・素材の多様化が進み、美術の概念そのものを刷新する動きが活発化した時代でもあった。抽象絵画、ネオ・ダダ、ポップ、キネティック、コンセプチュアル、ハプニング、もの派など、今日の「現代美術」の表現言語の多くは、まさにこの時期に生み出されたと言えるだろう。
「動向」展は、美術館がこうした目まぐるしく変貌する美術の状況と向き合い、若い世代のアーティストや鑑賞者との共感にもとづく実験場となるべく創始された。美術館の建物を用いたその場限りのインスタレーションやハプニングなど、関係者の記憶や記録写真だけが頼りの作品も少なくない。
本展では、293組の出品作家の中から、66組による主な出品作もしくは関連作、記録写真、展覧会に関するアーカイヴ資料を紹介しながら、1960年代当時の美術館とアーティストが切り結んだ美術の現場のスタートラインを検証する。
開催概要
-
会期
2023年4月28日(金)〜7月2日(日) -
会場
-
観覧料金
当日一般1,200円
詳細は公式サイトへ
-
休館日
月曜日
-
お問い合わせ
- カレンダーへ登録