館蔵企画展「大屏風展」

東京都

「風を屏障(へいしょう)」するものを意味する屏風の起源は、中国古代にさかのぼる。風や人目を遮るための実用的な調度として制作と使用が始まったが、日本においては平安時代に芸術的方向に大いに発展し、大画面絵画を制作する際の表現形式として定着した。しかし、住宅事情や生活様式の変化した現代では、屏風は用いられる機会が極端に減少し、それに伴ってこの形式で作品を制作する作家も減少している。
同館には17点の屏風が収蔵されており、本展ではその中から10点と屏風よりもさらに大きなパネル形式の作品1点を展示する。スケール感は大型作品ならではのものだが、同時に各作品からは日本画特有の繊細さも感じられる。屏風という造形表現の面白さと豊かさをこの機会に堪能してほしい。

開催概要