北斎展ー師と弟子たちー

葛飾北斎は、浮世絵師のなかでも特に人気が高い作家である。波瀾万丈な90年の生涯で、30数回の改号、93回もの引っ越し、常に借金に追われる生活の中で、膨大な数の作品を世に遺した。そして、その作品は、「冨嶽三十六景」に代表されるような、大胆な構図を巧みな線と、北斎色ともいえる象徴的な色使いで仕上げており、独創的な画風は、多くの絵師たちに大いなる影響を与えた。
また、北斎は海外でも知名度が高く、輸出用陶器の包み紙に使われた『北斎漫画』に衝撃を受けたフランス人銅版画家・ブラックモン等、美術家仲間から徐々に、「浮世絵=北斎」という評価が定着したと云われている。そして、これがきっかけでジャポニスム・ブームが巻き起こり、北斎の名は瞬く間にヨーロッパで大評判となった。
北斎は周知の通り、広重、歌麿、写楽などと並び、江戸時代の後期に活躍した浮世絵の巨匠である。日本人ならば誰もが必ず目にしたことのある赤冨士、浪冨士は、現代に於いても絶対的な評価と人気を博しており、その地位は揺らぐことはない。
本展は、葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」をはじめ、「忠臣蔵」「東海道五十三次」といったシリーズものから、役者絵、妖怪絵のほか、西洋の技術である銅版画に感銘を受けたことにより生まれた洋風画、貴重な肉筆画などの作品を通して、北斎芸術の全貌を紹介。また、北斎に影響を受けた弟子たちの作品はもちろん、なぜ北斎が海外で高く評価されたのかを、様々な角度から検証するために、海外、特にヨーロッパで北斎が知られるきっかけになった『北斎漫画』、北斎の影響を強く受けたと云われるフランス人画家アンリ・リヴィエールの「エッフェル塔三十六景」を展示し、北斎の人気の秘密に迫る。
開催概要
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会期
2023年4月22日(土)〜6月11日(日) -
会場
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観覧料金
当日一般1200円
詳細は公式サイトへ
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休館日
月曜日
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