渉るあいだに佇む-美術館があるということ

美術館があることってなんだろう? 茅ヶ崎に美術館が開館したのは、今から25年前。これまで茅ヶ崎にゆかりのある作家の作品を多く所蔵してきた。さらに近年では、同時代を生きるアーティストと展覧会を開催し、地域に関連した作品を増やしている。
制作された時代も、形態も異なるそれらの作品には、その時々のアーティスト自身の関心事や、物事の捉え方、思考の跡が見てとれる。その一方で、作品の見え方は、見る人の状況、社会情勢によっても変わってくる。身近なところでいえば、その日あった出来事や心の状態、晴れや曇りなどの天候の変化まで含み、瞬間ごとに変わっていくだろう。
そのように揺れ動くものの中で、ふと立ち止まり、自分や他者の考えの中に身を置いてみる。美術館は、多くの物事が急速に変化する時代のはざまで佇むことができる空間なのかもしれない。
本展では、子どもと大人が展示室の巨大な壁面と対峙して出来上がった作品、茅ヶ崎に落ちていたゴミでつくられた作品、まちのシンボルである烏帽子岩をモチーフにした作品、天候や時間によって変化しつづける作品、美術館を訪れる人々や周辺に暮らす人の声を集めた展示など、茅ヶ崎市美術館のために制作された作品とともに美術史に残るゆかりある作家の作品が展開される。
作品と作家、時代と社会、他者と自分、過去と未来。さまざまなものやことのあいだに佇み、一人ひとりの美術館での時間を過ごしてもらいたい。
開催概要
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会期
2023年4月8日(土)〜6月11日(日) -
会場
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観覧料金
当日一般700円
詳細は公式サイトへ
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休館日
月曜日
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