特別展 丹波の茶道具 茶の湯を彩る兵庫のやきもの

兵庫県

中世を通じて無釉の焼締陶器の生産に終始した丹波焼は、近世をむかえると新たな展開を見せる。赤土部や灰釉などの装飾技法で器面を彩り、文化や経済の中心地である上方に向けたやきものを生産していく。こうした地域で茶の湯が流行すると、他の産地と同様に丹波でも茶道具を作り始めた。水指や花入、茶入や茶碗など、趣向を凝らした茶陶とともに、茶葉を入れる耳付の壺が数多く生み出された。
丹波の茶道具には、工具で素朴な文様を施したものや端正な形状のもの、別の素材で作られた茶道具の姿形を写したものなど、当時の流行や茶人の好みが反映されている。また、暮らしの中で用いる壺や桶が茶の湯に適した道具として茶人に取り上げられ、茶道具に見立てられたものもある。
本展では、各時代の茶人に受け継がれ、愛蔵されてきた丹波の茶道具の魅力に迫る。加えて、展示室内に茶室の空間を再現し、県下の諸窯で焼かれたさまざまな茶道具を取り合わせて、茶の湯の世界の一端を紹介する。

開催概要