高松市美術館コレクション+(プラス)版画でたどる20世紀西洋美術 ―画家たちの挑戦―

香川県

20世紀の西洋では、さまざまな絵画表現が誕生した。パブロ・ピカソやジョルジュ・ブラックはモチーフをあらゆる方向からとらえ、それを一つの画面に再構成するキュビスムの作品を生み出し、マックス・エルンストやサルバドール・ダリ、ジョアン・ミロらは無意識の世界に魅了されたシュルレアリスムの作家として知られている。また、マルセル・デュシャンは、アメリカに渡って既製品をオブジェとして展示するなどそれまでには考えられなかったような概念を提示し、現代アートの扉を開いた。その後アメリカではジャクソン・ポロックに代表される抽象表現主義が、ジャスパー・ジョーンズらによるネオ・ダダやアンディ・ウォーホルらのポップ・アートなどに大きな影響を及ぼした。芸術家たちは既存の芸術作品等から多くを学びながらも、そこから独自の表現を模索していったのだ。
また、20世紀は版画工房が大きな発達を遂げた時代でもある。スタンリー・ウィリアム・ヘイターによる工房「アトリエ17」が芸術家たちの創造力を刺激したように、特に20世紀半ば以降、版画工房はただ作品を刷るだけでなく表現そのものにも関係するようになった。さらに、技術が向上したことで、芸術家たちが求める表現の実現に貢献した。
本展では高松市美術館が所蔵する版画作品を中心に、ピカソやアンリ・マティスなどの巨匠たちから現代アーティストとして知られるジュリアン・オピーやダミアン・ハーストまで、20世紀に活躍した芸術家たちによる作品約200点を紹介し、彼らが絵画表現に挑戦し続けた軌跡をたどる。

開催概要