佐野美術館でひな祭り

今年もひな祭りの季節がやってきた。本展では、佐野美術館の様々な雛を紹介する。
涼やかな目許が印象深い享保(きょうほ)雛は、ほっそりと伸びた指先、左右に張った袖など、他の雛とはまったく違う魅力にあふれている。江戸の名工原舟月(はらしゅうげつ)作と伝わる古今雛は、浮世絵から抜け出てきたかのような豪華な姿で、現在の雛の形はここから始まったといわれる。檜皮葺(ひわだぶき)の屋根も見事な御殿飾りは大正時代の名品である。御所を精巧に模した建物は部材ひとつひとつを組み立てるいわば“ジャパニーズ・ドールハウス”だ。幼い表情が可愛らしいおぼこ雛は趣向を凝らした「変わり雛」のひとつで、はち切れんばかりの明るい顔立ちに思わず笑みを誘われる。そして江戸八丁堀の名物と謳われた極小雛飾り。細緻な蒔絵の美しさは必見だ。
春の一日、佐野美術館のひな祭りで優雅な気分になれるだろう。
開催概要
-
会期
2023年2月18日(土)〜4月2日(日) -
会場
-
観覧料金
当日一般1,100円
詳細は公式サイトへ
-
休館日
木曜日(2月23日は開館)
-
お問い合わせ
- カレンダーへ登録