美しい本–湯川書房の書物と版画

神奈川県

湯川書房は装幀や製本に意匠を凝らした限定本を出版し、2008年に活動の幕を閉じるまで多くの愛書家を魅了した。小川国夫、加藤周一、谷崎潤一郎、塚本邦雄、辻邦生、車谷長吉など一流の文学作品を気鋭の美術家の作品と結びあわせた独創的な書物で知られ、1970~80年代に興隆した限定本文化の担い手となった。「美しい本」の創造を掲げ、版画家の木村茂、岡田露愁、柄澤齊、染色家の望月通陽、画家の戸田勝久らと協働して生まれたのが文学と共鳴する工芸品ともいうべき書物である。
本展は蒐集家の岡田泰三氏ご寄贈による同館所蔵品から、書物のユ–トピアをめざした湯川書房の魅力を紹介。印刷を母体に活字と版画は不即不離の関係にある。本展では湯川書房で多くの共作を残し、自らも出版工房を主宰する柄澤齊による木口木版の世界を〈肖像画〉シリ–ズを中心にあわせて展覧する。

開催概要