山中現展 描かれた詩

群馬県

福島県喜多方市出身の山中現(1954~)は、現在日本で最も活躍している画家・版画家の1人である。1974年に東京藝術大学美術学部油画科に入学し、在学中に版画家であり、版画史研究家としても知られる小野忠重(1909~1990)による版画の集中講義を受けたことがきっかけで、木版画を始めた。1980年前後より、白や黒、グレーを基調にした作品を生み出し、宇宙や夜を背景に、棒状のかたちをした有機体が登場するシリーズを発表した。そして、三次元的な空間の中で光と影を意識したそれらの作風は、作家のイメージを代表する世界観を構築した。しかし、山中の飽くなき創作意欲と探求心は、1980年代末頃から色彩の使用へと向かわせる。平坦な画面にごく単純な形体を配し、色とかたちによる静謐かつ詩情溢れる世界を表現するに至った。同館は2021年に、県内の現代美術コレクターであるI氏より、327点の山中現作品の寄贈を一括して受ける機会に恵まれた。本展では、その「旧I氏コレクション」から厳選した作品約240点を初めてお披露目する。初期から近年までの木版画を中心に、油彩画、水彩画、ガラス絵も合わせて紹介し、多方面よりその作品世界の魅力に迫る。

開催概要