第11回円空大賞展 共鳴-継承と創造-

岐阜県

円空は、江戸時代に美濃国で生まれ、修行僧として全国を行脚しながら生涯に12万体もの神仏像を彫り続けたと伝えられている。岐阜県では、「円空の独創性や慈愛の精神」を注目すべき本県の個性と捉え、平成11年度より土着の伝統に根ざしながら独創的な芸術を創造している芸術家を「円空大賞」として顕彰。21世紀の円空ともいうべき受賞作家たちの作品が一堂に会する本展は、優れた現代美術展として高い評価を得ている。
第11回円空大賞展では、円空の生き方を感じさせる5人の現代作家が選ばれた。
天然繊維や合成繊維に限らず、和紙、生分解性プラスチックなど様々な素材に注目し、全国各地の職工、染色職人と協力しながらテキスタイルデザインの可能性を追求し続ける須藤玲子(円空大賞)。風倒木や立ち枯れ木を素材とし、それを育てた自然の中で、土地の人々と関りながら滞在制作をし、作品に新たな命を吹き込むDavid Nash。粘土という素材の持つ可塑性とその焼成によって表現される形態の変化に、伝統的な器ではなく、造形的な美を追求する中島晴美。一貫して「人間とは何か」というテーマを追求し、自分自身と向き合う人間の姿を、自身が確立した楠の木彫に大理石の玉眼を埋め込むというスタイルで、表現し続ける舟越桂。「陶」を用いて、氾濫する情報や大量消費商品がゴミに変わっていく現代社会の不安感や恐怖感を訴えるとともに、溶融スラグを素材とし、環境問題にも関心を深める三島喜美代。(以上、円空賞)。
第11回円空大賞展では、岐阜県羽島市の円空仏7体と受賞者の作品が響き合う会場構成を試みる。円空の生き方、願い続けたもの、そして、受賞者が継承し創造したものが美しく共鳴する本展となるだろう。

開催概要