開館35周年記念特別展 初期伊万里・朝鮮陶磁

東京都

1610年代に朝鮮半島の技術が伝わり、日本初の国産磁器である伊万里焼が誕生した。なかでも初期の素朴な作風を「初期伊万里」と呼んでいる。戸栗美術館創設者である戸栗亨(1926~2007)は「古伊万里のコレクションで日本一になる」という目標を掲げ、蒐集に邁進した。「鑑賞陶磁」としては端正な作品が好まれ、色絵重視の風潮が強かった時代に、染付や白磁の、陶工達の手痕が感じられる様な滋味溢れる初期伊万里も精力的に集めた。こうして昭和40年代ごろから20年ほどの間に江戸時代を通観しうる充実した肥前磁器コレクションを築いた。
「始まりというものは大事なものだ―、私はそういうところに愛着を感ずるんです」。これは古伊万里と対峙する戸栗の言葉だが、伊万里焼の祖である朝鮮の陶磁器に対しても親しみの眼差しを向けていた。数は決して多くないが、高麗青磁や粉青、鉄絵、白磁、青花など、少数ながらも体系を意識した素朴な美しさの作品が目立つ。
開館35周年記念特別展の締めくくりとなる本展では、古伊万里の“原点”たる初期伊万里の魅力を約80点の作品と共に語る。さらに、戸栗の愛した朝鮮陶磁コレクション約30点も15年ぶりに一堂に会する。

開催概要