上村淳之 文化勲章受章記念 こころの花鳥画 上村松篁・淳之展

奈良県

松篁・淳之の花鳥画は、私たちの日常の空間を絹や紙の上に再現するものではない。
そこに描かれているのは、画家のこころの中に創られた美しい世界なのだ。それゆえ、去年写生した花を今年も写生している。画家の心の成長とともに、新たな美が見えてくるという。デッサン・写生とは、対象の形を正確に写すことにが目的ではなく、対象の本質を把握し、自分自身のこころの内面を確認する作業なのだ。
絹や紙に岩絵具を塗っているから日本画であると、材料でしか日本画を定義できなくなっている現代だが、松篁・淳之は、これこそが東洋画の本質であると、鳥や花と共に在る世界を描き続けてきた。
その画面を構成するのが、余白―具体性を持たない空間、淳之の言う「象徴空間」である。この象徴空間は気配であり空気であり、背後に目にみえないもの、実在や真理や精神といったものを含んでいる。本展では、松篁のこころ、淳之のこころから創造された美しい世界を堪能できる。

開催概要