丸山晩霞 日本と水彩画 丸山晩霞記念館所蔵作品を中心に

東京都

丸山晩霞(1867~1942)は近代日本では珍しく、水彩画を専門とした画家である。晩霞は風景画、とりわけ山岳風景を得意とし、国内外の山々を巡るため、自らの足で旅を重ねた。本展では晩霞の故郷である東御市の丸山晩霞記念館の所蔵作品の中から、その足跡の一部を辿り、主として信州、ヨーロッパ、アジアの旅で生まれた作品を紹介する。
晩霞は旅をしながら当地の絵を描くことをこよなく愛した。当時の資料を紐解くと、東京に居を構えながらも年中どこかに旅をしていたことがわかる。一方で残された言葉や作品からは、彼が水彩画を手掛けながらも「本当の日本画」を生むことに苦心していた様子が読み取れる。例えば1918年には「郷土的民族性」を求める「新日本画協会」を立ち上げ、同じ頃から日本画や和装の水彩画を制作するようにもなった。旅を通じて海の外に広がる世界を自身の肌で感じていたからこそ、西洋由来の水彩画によって新たな「日本画」を創造しようとしたのかもしれない。
2階展示室では、晩霞と同じ時代を生きた、中村研一(1895~1967)の作品を展示。そのまっすぐな気性のため、官展から距離を置いた晩霞に対し、中村は官展を舞台に自らの道を切り開いた。公立美術館の特色あるコレクションとしての、二人の作品の異なる魅力が味わえる。

開催概要