片山健の油彩画展 濃密な記憶と懐かしい匂い

東京都

ダイナミックな筆致と鮮やかな色使い、ノスタルジーを感じさせる生活感と風景。片山健は、1940年に武蔵野市に生まれ、幼い頃に市内で戦争を体験している。武蔵野美術大学商業デザイン科を卒業後、絵本作家としてのデビューは1968年。代表作『ぼくからみると』(2014年 *初出 1983年)をはじめ、自身の娘を主人公にした人気の「コッコさん」シリーズ、作家で詩人の妻・片山令子(1949~2018)が文章を手掛けた作品など、あわせて、100冊近くの絵本が刊行されている。
しかし今回は、絵本作家としてではなく、油彩画家としての片山健に焦点を当てた展覧会となっている。高校時代から大好きだったという、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890)の影響を思わせる油彩画の数々。本展では片山自身のアトリエに置かれていた小品をはじめ、10名以上の個人コレクターの皆さまからも作品を借用。なかには代表作「水蜜桃」シリーズや、かつて家族で住んでいた三鷹市内の牟礼団地をテーマに描いた、同タイトルの対となる大作「夜の庭」シリーズ(1993年/1989年)も含まれる。初出となる作品も数多く公開。ロビーに展示する絵本原画もあわせますと、総数は約90点に及ぶ。
吉祥寺で長年活動をしていたトムズボックスの土井章史氏を監修者に迎え、ダイナミックに独特の世界が展開する、油彩画の魅力を紐解いていく。

開催概要