特別展「もうひとつの顔 ロバート・キャパ セレクト展」

兵庫県

ハンガリー出身のロバート・キャパ(本名アンドレ・フリードマン)は、20世紀を代表する報道写真家。スペイン内戦の結末を暗示するかのような《崩れ落ちる兵士》や、死線に身を晒し命懸けで撮影したノルマンディー上陸作戦の激戦は、戦争報道写真の傑作とされている。リアルタイムに映像が届けられることがなかった時代、キャパの写真が紙面を通して人々に与えた衝撃は計り知れない。
一方で、キャパは戦時下の市民の姿もカメラに多数おさめた。不安げに空を見上げる人々や途方に暮れて佇む人など、戦争が日常化した世界とそこに生きる人たちの姿を多面的に捉えようとする意識がうかがえる。このことは、キャパ自身が写真集を企画刊行する編集的視野をもっていたことと関係しているかもしれないが、人が見せる鮮烈な感情と向き合うことで「人間」という存在にせまる挑戦であったと捉えることもできるだろう。人の内面を浮き彫りにするキャパの「まなざし」は、親交のあったピカソやヘミングウェイらを被写体とした場合にも遺憾なく発揮された。
本展では、東京富士美術館が誇るロバート・キャパ・コレクションの中から、溢れ出る感情とそれを捉えるキャパの眼を軸に選び出した約100点の作品を展示することで、キャパの「もうひとつの顔」である編集的視点を会場内に構成する。再び緊迫する世界を前に、激動の世紀を駆け抜けたキャパの写真が多くのことを語りかけてくれる展覧会。

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