絵になる風景

滋賀県

風景は人によって異なる現れ方をする。その土地に生まれたのか、旅行者なのか、懐かしいふるさとなのか、いつまでも見ていたい、そんな眺めなのか―その人の出自や思い出の数だけ異なった形で、風景はそれぞれの心の内に現れる。
また、風景は留まることがない。日々、町並みは変わっていくし、天災や戦争が一瞬にして景観を奪うこともある。それらは、建物や自然環境の物質的な変化であるだけでなく、その風景に接した人々が寄せてきた思いや、蓄積してきた記憶といった心情の変遷や喪失でもある。風景を描くこと。それは変化したり、失われたり、忘れられたり、うつろっていく世界を、絵という画角の中に留めていく作業といえる。風景の描き手は、外の景観を心の内に捉え、自らの身体と画材を通して、再び外に放出するという、往復を繰り返す。その中で、描き手の内と外は分けがたく混じり合い、混合や融和の果てに、風景は絵になっていく。
風景を描くということを誰もが一度はしたことがあるはずだ。またそれは、美術の歴史の中でもずっと昔から続く営みでもある。人間にとって、大切な画題である風景。本展では「絵になる風景」をテーマに7名のアーティストの作品を展示する。

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