連載・小さい伝記―植田正治の歩み

鳥取県

「連載・小さい伝記」は、1974年から1985年まで実に12年間、13回にわたって『カメラ毎日』誌に発表されている。そのほとんどが6×6判のカメラ、ハッセルブラッドで撮影され、ほぼ正方形の画面におさめられている。正方形の画面といえば、戦前、植田はローライフレックスというカメラを愛用。この頃は、多くの場合トリミングを施しているのに対して、〈小さい伝記〉では、あまりトリミングはされていない。植田の意識に大きな変化があることがわかる。植田自身、このシリーズをカメラを介しての「触れあいの記述」であると語っているように、意図しない偶然の出会いを、シンプルでストレートに記録したいと意図していたのかもしれない。また、写真家として「今日を生きた証し」でもあるこの連載は、雑誌の休刊とともに途絶えたが、写真家としての活動を続ける限り、植田の「小さい伝記」は完結することはなく、その意味で、この伝記は写真家の歩みそのものでもあったといえるだろう。
正方形の画面に閉じ込められた愛らしい山陰の子どもたち、素朴なたたずまいの人々、そして日常の何気ない出会いなど、植田のユーモアや優しさに溢れるまなざしを感じられる作品が並ぶ。 

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