みる誕生 鴻池朋子展

香川県

これまで芸術が特権的に提示してきた視覚中心の価値観、文化と経済のグローバリズムの構造が、今、地球規模の転換期を迎えている。鴻池朋子は、アニメーション、絵画、絵本、彫刻などから手芸、おとぎ話、歌まで、あらゆる身近なメディアを用い、旅をして地形や季節と共に作品をつくり、その始まりから一貫して芸術の根源的な問い直しを続けてきた。
今回、鴻池は生まれたての体で世界と出会う驚きを「みる誕生」と名付けた。観客は眼だけではなく、手で看(み)る、鼻で診(み)る、耳で視(み)る、そして引力や呼吸で観(み)て、美術館という強固な建築と、疎遠になってしまった自然界とに新たな通路を開いていく。新作の《どうぶつの糞》の模型、牛革ツギハギの《皮トンビ》などを、人間の痕跡である美術館のコレクションと共存させる。また、美術館と海を隔てた大島とをつなぐ、生命の波打ち際である「インタータイダル・ゾーン(潮間帯)」というトポスには、国立療養所 菊池恵楓園 絵画クラブ「金陽会」の作品、若林奮の《緑の森の一角獣座 模型》、手芸《物語るテーブルランナー》などが波のように寄せ合う。

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