シアトル→パリ 田中保とその時代

埼玉県

岩槻生まれの画家、田中保(1886~1941)の回顧展を、同館では25年ぶりに開催する。
18歳で移民としてシアトルに渡った田中は、働きながら絵を学び、画家としての地位を確立した。シアトルで出会った美術批評家、ルイーズ・ゲブハード・カンとは、国籍の違いを乗り越えて1917年に結婚している。
1920年にパリに移住した後は、サロン・ドートンヌなどの展覧会に出品を重ねて評価を高め、肖像画や裸婦像といった分野で自らの芸術を開花させる。パリで人気画家となってからも、田中の胸中には祖国でこそ認められたいという思いがあった。しかし、日本の美術教育を受けず、アメリカで身を立ててきた田中は、生前に日本の画壇から受け入れられることはなかった。1970年代に作品がまとめて紹介されたことで再評価の機を得たものの、その生涯にはなおも多くの謎が残されている。
本展では、埼玉県立近代美術館のコレクションを中心に借用作品を交え、最新の研究成果によって田中の画業を振り返る。あわせて田中が生活した20世紀初頭のシアトルの状況や、パリで同時期に制作した美術家を紹介する。国際化が進み、人の移動がますます活発になった現在の視点から、海を渡って活動した田中の実像を再検証する試みとなる。

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