津田青楓 図案と、時代と、

東京都

工芸品の下絵として捉えられがちな「図案」。しかし明治から大正時代は「図案」は必ずしも何かに応用されるために描かれるのではなく、また「絵画」とも異なるものとして存在するようになった時代だった。
明治時代、ヨーロッパの美術やデザインが日本でも広く知られるようになると、それまでの伝統的な図案から脱却し、独自の創意をもって考案しようという機運が高まった。職人の仕事とされていた図案制作に画家も携わるようになり、その芸術化が試みられた、いわば図案の変革期だったのだ。
本展は、明治30年代に京都で多くの図案集を出版し、大正時代には夏目漱石らの本の装幀も手がけた津田青楓(1880~1978)を軸に、図案集と図案に関する作品を紹介する。青楓は、明治13(1880)年に京都に生まれた。明治から大正、昭和時代と目まぐるしく変化する社会の中で、日本画、洋画、工芸、書など幅広い分野で活躍。明治37(1904)年には、青楓自身も図案の研究会を結成し、日本画の師である谷口香嶠や、当時、京都に新たな美術やデザインをもたらした洋画家の浅井忠を顧問に迎えて雑誌の刊行も行っていた。前年に刊行した図案集『うづら衣』では「自己は自己の図案をつくらねばならん」と制作にかける意気込みを語っている。
それまでの形にとらわれず、自己の表現としても制作されるようになった図案。津田青楓の作品を通し、職人の仕事から美術家の作品へと昇華された「図案」の世界を楽しんでほしい。
※会期中展示替えあり

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